ROAD-S(ロードス)とは

システム概要

高速診断によって得られた道路・軌道の地中データが、地図情報と同期してビックデータ化されており、インターネットを介してユーザーの皆さまと共有することで、維持修繕に関わる基礎情報としてご活用いただけるシステムです。

お客様が管理するあらゆる道路の地中情報が高速調査、高速解析システムによって詳細データに分割・アップロードされ、GIS処理によって地図情報と同期し、データセンターに保管されます。

『ROAD-Sシステム』にアクセスならびにログインすると、右のような地図画面が表示され、お客様の修繕検討路線、必要な条件を選択することによって、簡単に地中情報を閲覧、簡易版診断データ(基礎データ)のダウンロードが可能となるシステムです。

維持修繕の緊急度や詳細調査の重点箇所等を判断するなど、LCCを勘案したインフラメンテナンス計画において、基礎データは重要な役割を果たします。また、データセンターには、複数年の診断データを保管しますので、経年変化を把握、ならびに中・長期的なメンテナンス計画にご活用ください。

システム概要

ROAD-S使用画面

ROAD-S使用画面

システム概要

導入効果

ビックデータ化した地中情報は、維持管理の『計画』『調査』『設計』『工事』に関わる、あらゆるユーザーならびにプロセスで利用でき、基礎データとしてご活用いただくことで、LCCの最小化に配慮したマネジメントが期待できるシステムです。

新たなインフラ維持・管理プロセス

ROAD-S使用画面

技術開発

劣化診断アルゴリズムを活用した解析ソフトならびにAI(ディープラーニング)を用いることで、高速移動型三次元地中レーダ探査により得られたデータから異常個所を自動検知するための技術が導入されております。

従来のデータ解析手法では、膨大な数の取得データを解析オペレータの経験値・知見によって目視判定を行っていたため、解析者によって判定結果が微妙に異なることがあり、また多くの解析時間が必要で、診断までに数週間~数ケ月の日数が必要でした。

本データ自動解析システムは、解析結果のバラツキ解消(精度向上)、解析時間の大幅な短縮を行い、信頼性の高い結果を提供することを目標としています。

本解析手法は、劣化診断アルゴリズム※1を活用した解析ソフトならびにAI(ディープラーニング)を用いることで、高速移動型三次元地中レーダ探査により得られたデータから異常個所(路面下の空洞、埋設管の敷設状況、橋梁床版の劣化状態、舗装体の劣化状態、舗装表面のひび割れ率、舗装表面のわだち掘れ量)を自動検知するための技術です。

※1 内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」(管理法人:科学技術振興機構)において国立大学法人東京大学生産技術研究所 水谷 司特任講師が開発。

解析によって得られたデータは緯度経度情報や周辺状況、その他の付加情報とともにGIS処理され、自動的に大型データセンターに保存されます。また、蓄積されたデータは、経年変化を把握するための基礎データとして活用することも期待されております。

実証事例〔機能実物大RC床版(モデルヤード)における実証実験〕

床版上面に発生する理想的状態の水平クラック及び土砂化を模擬した実物大RC床版を作製し、実証実験を実施しております。下図は準備した模擬損傷の概要であり、下はスリット内が滞水した際の解析結果です。